| ― MGは経営者の意志を理解するための翻訳機 ― |
「医薬分業」の時代の流れの中で神奈川県大和市に本社を置き、関東一円と愛知県を合わせて110店舗を数える調剤薬局を経営するのが薬樹株式会社である。
同社では他に先駆け、80年代に入ると調剤薬局を開局し、独特の経営手法で各地に調剤薬局を展開し、現在の規模まで発展した。その発展の重要なツールとなっているのが人材育成講座で取り上げているMG(マネージメントゲーム)である。 |
| FC方式の調剤薬局を早いテンポで展開できる秘訣 |
同社ではマネージャークラスになるとMGに派遣される。社長が先頭となってMGをみんなで体験するためである。また、MG道場にも社長自身が継続的に参加され、初参加から4年目の現在では経営者の意思を伝え、相互に理解するための共通言語となっている。
同社の社員教育は全員経営を達成するためのグループワークを核とした研修などのシステムに重点が置かれている。
この研修を通じて「お互いを認める」ことが最大のテーマで集団で問題解決を図る力量を徹底して育てる。
お互いのことを理解すれば、自ずと適材適所、それぞれの持ち前を生かした関わりができるようになってくる為だ。
部課長制を廃止した能力評価主義により、能力に応じて一社員が管理者になることもあれば、管理者が一支店のオーナーになることもあり得る。
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 2005年7月 MG研修会にて小森社長と小川代表社員
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そして、それは決して降格人事という意味合いではなく、適材適所を柔軟に行うために職階制度がさほど重要でなかったということである。
現場で最も本領発揮する人材は年功だけで管理職にしても本領発揮できないし、意欲も低下してくる。その逆も当然あり得る。精神的にも身体的にも生き生きとした姿で毎日働くためには他人から全幅の信頼をされて働けることが大切と経営陣は考えている。そういった環境づくりが薬樹株式会社の歴史の中で日常的に出来上がってきている。 |
| MGを通してマネージャー層に経営感覚が育ってきた! |
 2003年MG研修会での同社社長.2回目とは思えない手腕を発揮。しかし全参加者中、自己資本をもっとも伸ばしたのは初参加の同社の女性マネージャー。
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社長は、MGを社員が経営について意思経営者と疎通をするための共通言語として最重要に位置づけておられ、現場でもMGの用語とイメージを使いながら経営戦略を伝える。
簡単にMGの概略を説明すると、参加者一人ひとりが経営者になり、仮想の自分の会社を全員同じ資本金で持つことから始まる。
薄利多売型、大規模設備大量生産型、いろいろなスタイルの会社が登場する。それを通算5年分経営するゲームを通じて経営にとって何が大切かということを決算処理まで自分でやって体感するという参加型の経営研修である。
同じ条件でスタートしても5期の決算を行うと、経常利益を出し、資産も十分に残すプレーヤーもいれば、借金まみれで倒産する者もいる。
まさに現実の市場と同じことが目の前で展開する。経営センスと意思決定の速さ、正確さが大きな差となって現れてくる。
経営経験の長い者が決して有利にはならないところが面白い。 |
| MGの書式をアレンジして現場に応用して効果が上がった |
社長の方針で経営数字を社員に公開しているが、単に経営情報の公開ということだけではなく、社員一人一人が納得した上で自主的に仕事をできるようにし、経営結果をどのように見るか、という経営者からのメッセージの翻訳がMGを共通体験することでやりやすくなったと言われた。
現場の毎日の売上げと支出の記録はゲームの日計シートに類似したものを現場の使い勝手の良いようにアレンジしたものを使っている。
実戦でもゲームのように記録し、誰でも数字をリアルタイムで把握できるようになっているので、一定期間で締めた時に計算されてくる経費の内訳が戦略的に必要なものに対して使われていたかどうかゲームに参加している者なら一目瞭然。
利益を増やすために固定費を減らそうというありがちなスローガンが決して利益増加にはつながっていないことを体感的にわかるようになってくると言われている。 |
| 経営者の考えをみんなに伝え理解しあうための共通言語がMG |
経営の意図(真意)を共通語で理解するということがどれほど強いものであるかは経営に携わられる方であれば、切実に理解していただけるものと思う。それを同社ではマネジメントゲームで行った結果、会社が変わった。
このゲームの効用はそればかりではなく、売上げ金額が少ない支店でも固定費が少なく、一人が稼ぎ出す付加価値が高ければ一人当たりの利益は高く、却って大規模で売上額の大きな支店よりも経営効率が良いことも明らかにすることができるため、そこで働く人のプライドを高く保つことも可能で、経営に対して堂々と意見を述べることができるというメリットもあるのだという。
こういった面でも若き二代目社長の鋭い着眼点と実行力はMGの中でますます磨かれている。 |